天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 私はなにかしていないと多分ダメだと思う。

 専業主婦で家にこもっていた時期を思い出すと悲しくなる。孤独の中に閉じこもり、結局妄想に取り憑かれてしまった。私はもう家にひとりでいたくはない。

「しかしまあ、一難去ってまた一難か。今度は再婚で悩むなんてね」

「なんか、人生って大変だね」

 思わずこぼれた本音に瑠々が笑う。

「そうだね莉子。ほんとにそうだ。若くたって生きてくのは大変なんだよね」

 私たちは笑い合った。

 なぜだか笑いが止まらず、笑い過ぎて涙が溢れる。

「大丈夫だよ莉子。そのときまで遊んで過ごしてるわけじゃないし。副理事長は立派な職歴だもん」

「そっか。瑠々にそう言ってもらえると、なんとかなる気がしてくるよ」

「その通り。なんとかなるって。私も流樹もいる」

「ありがと。瑠々大好き」

 もう一度あははと笑い合うと、乃愛も一緒になって笑った。



 食事を終えて流樹に見送られながら通りにでると一陣の風が吹き抜けた。ほんの少し涼しくなった秋の風が心地よい。

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