オオカミと父親 ひねくれた純愛(おまけの小話・その3)

教授の怪我

「・・カーライル・・・」
子猫が泣くような、小さな声が聞こえる。

俺は、声のした植え込みをかき分けた。
教授が泥だらけで、
横座りになって、うつむいている。

「こんなところで・・
何をやっているんですかぁ!!」
俺は安堵と共に、声を荒げてしまった。

「足をくじいてしまって・・・」
教授は消え入りそうな声で、
足首を押さえて続けた。

しかし、すぐに顔を上げて
「何とかする。
君は会場に戻れ!」

いつもの仕事モードの教授の命令口調に、俺はイラっときた。

「まったく!何とかならないでしょう!
現状分析すればわかることです」
俺はつい、言い返してしまった。

教授は、冷静な口調で
「君は会場に戻るついでに、
ホテルの従業員に、駐車場に行くよう指示すればいいだけだ」
そう言ったが、

俺は、<もう議論しても無駄>
と、判断した。

すぐに上着を脱いで、教授の肩にかけた。
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