妖の街で出会ったのは狐の少年でした

60話 解説

ー遡ること2週間前ー
「ここにきた日が特別な日か。」
「昨日の帰りにいきなり呼び止めてカズハ様にそれとなく特別な日を聞けって、どういうことですか?」
「放課後空いてるか?」
俺の問いは無視して聞いてきた、
「え、まぁ」
「じゃあ2時ごろ図書館に来てくれ。」
それだけ言ってジュンは帰ってしまった。
やることを終わらせ図書館に向かうと
もうジュンが来ていた
ー図書館ー
俺たちの他にあまり人がいないから静かだ。
本を探しているとジュンが
「自分の誕生日がわからない」
「自分の誕生日がわからない?」
言っている意味が分からず聞き返してしまった
「カズハが、昨日言ってたんだ。
オレが特別な日を自分で決められるって言った、
だからロクに聞いてもらったんだ」
「・・・」
いまいちその意図がわからない。
というか 
「俺には一言も・・・」
「使いだから、なんでも言えるわけじゃない
だから、友達のオレに言ってきたんだろうな」
「ジュン」
「別に優越感はねえよ。ただその特別な日を」
一息ついて
「盛大に祝ってやろうぜ」
声色が明るくなる。
「はい。」

と言いつつも、
「あ~、決まらん」
「静かにしてくださいよ」
「ロクは何みてんだよ」
「植物図鑑ですよ。何かヒントないかな、と」
しばらくめくっているとジュンの手が遮った
「待った、これはどうだ?」
「薔薇?」
「の、一言メモ」
右下を指さす。
「「これだ!」」
大きな声を出した俺たちはお咎めをうけた。
「「すみません」」
その一言メモを書き写し図書館を出る。

ここからが時間との勝負。
カズハ様にバレないよう俺たちは根回しを始めた。
ナグモ様とミズキ様に計画を話したら驚きつつも
引き受けてくれた。
ジュンの方も上手く行ったようだ。
そして当日。

ー回想終了ー
「私の知らないうちにそうなことが。全然気づかなかった。」
「気づいたら計画が台無しですからね。
ヒヤヒヤしました。」
「薔薇は色ごとにも花言葉があるんです。」
「色?」
「黄色は友情、オレンジは絆、紫は誇り
緑は穏やか、青は奇跡、」
プレゼントが多色だったのはそれぞれ私に対する
感情だったんだ。
「桃色は愛らしさ、虹色は無限の可能性」
虹?・・・あ、飴!
「そして最後、白は深い尊敬」
だめだ。もう無理

カズハ様は、ボロボロ泣き始めた。
「えっ・・・。カズハ様!?」
驚いて一瞬、思考が停止した。
「こんなサプライズで泣くなっていう方が
おかしいよ。あの2年分をうめるくらい、いや
それ以上に満ちた誕生日。」
引っかかる単語が聞こえたが今は無視して
「カズハ様、今年だけじゃない、来年も、再来年もその先も俺にあなたの誕生日を祝わせてください」
「ありがとう、ロク」

「ありがとう」
言い足りないくらいたくさんの人に   
たくさんの感謝を。
後日 
学校にて
「ありがとう、ジュン。」
「ハーバリウムか?
喜んでくれたら何よりだ」
少しニヤッとしてカズハは
「それもだけど、計画してくれたことも」
「・・・え!なんでそれ・・・
まさかバレてたのか」
「いや、私が問いただした」
真顔で間髪入れずに答えた
「まぁ、無事に終わったし、いっか
カズハ、白い薔薇の花言葉って」
「あの時、聞いた。深い尊敬って」
「あ、それもだけど」
「それも?」
「あ、いや」
チラッとロクに目をやると、真っ赤になった。
「他にもあるの?」
「いや、ほかの花だった。なんでもない」
カズハは不思議そうな顔をしていた、
面白そうだから黙っとくか。
白薔薇のもう一つの花言葉
私はあなたにふさわしい



< 60 / 100 >

この作品をシェア

pagetop