火の力を持つ国王様は愛も熱い
力の鎮め方



次の日の朝。



エドワード王様の体温はいつも通り、夜よりも下がっていて通常より高めではあったけれど体調の変化はないようだった。


そして、先日に引き続き火事の件や薬の事で会議や調査でエドワード王様は朝から大忙しだった。


そして、私はアル君の付いている様に命じられた。



アル君の泊まっている部屋に入るとアル君が駆け寄ってきた。


「エマ!」

「アル君……どうしたの?」


昨日あれだけの事があったので、落ち込んでいるかと思ったけど……


「エドワード王様の事助けられるかもしれない!」

「どういう事?」


まさか、まだ11歳のアル君にお爺さんが取り扱いを禁止されている薬の事を教えていたとは思えないけど…でも、アル君の御先祖様は力の強い王族の対処に携わっていた事を考えると他に何かあるかのかもしれない。


すると、アル君は首に掛けていて服で隠していた物を取り出した。
何処かの鍵のようだ。


「この鍵ずっと前にじいちゃんから命よりも大事に持ってろって預かってるんだけど、エドワード王様の薬はとても大事な物で子供では扱えない物だから18歳を過ぎて大人になって、じいちゃんに認められる薬師になったら洞窟にあるこの鍵の掛かったドアの先で薬の製薬方法を教えてもらう約束をしてたんだ」

「それって薬の製薬方法がわかるかもしれないって事……で、いいのかな?」

「うん!鍵は持っててもその時まで入る事は許されてなかったから入った事なかったけど、きっとこの場所に薬の事が詳しく記されてる資料や書物があると思うんだ」

「でも……お爺さんに時が来るまで入る事を禁止されてる場所なんだよね?」


今まで薬の製薬方法は頑なに流出させないようにしてきたのに、ここを調べる事は正解なのか判断出来なかった。

製薬方法がわかったとしてもちゃんと作れる人がいるのかもわからない。



< 50 / 162 >

この作品をシェア

pagetop