千早くんは、容赦が無い

優しすぎる千早くん

 本来の待ち合わせ場所である遊園地の入り口には、涼介くんが立っていた。

「あれー、三人とも一緒なの?」

 私たち三人が一緒にやってきたのを見て涼介くんが尋ねると、桜子がこう答えた。

「私は電車の中でたまたま会ったの! 亜澄と千早くんは最寄駅から一緒に来たみたいだけど」

「へー、そうなんだ! 俺桜子ちゃんの……一応彼氏やってる、涼介。よろしくね、千早くんだっけ?」

 人当たりのいい涼介くんは、千早くんにそう挨拶した。

 すると千早くんは首を横に振りながらこう答える。

「俺のことは千早でいいよ。今日はよろしく」

「あっ、千早って初対面でも結構いける感じ? じゃあ俺のことも涼介で!」

「りょーかい」

 陽キャ同士のふたりは、早くも打ち解けられそうな感じだ。

 それはとてもよかったけれど……。

 どうしよう、ジェットコースターのこと。

 ひとり悶々と悩みながらも、受付でチケットを買ってみんなと一緒に私は遊園地へと入園した。

 ――すると。

「最初何乗る~?」

「やっぱりあれでしょ! ジェットコースターの一番すごいやつ!」

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