僕は今でも彼女のことが大好きだ
僕は今でも彼女のことが大好きだ
彼女はとても儚くて、僕が傍から離れたらすぐにいなくなってしまいそうだ。自分では太っているよと言うが、くびれが綺麗な華奢な女の子だった。僕は今でも彼女のことが大好きだ。
彼女との出会いは高3の夏休みの終わり頃だった。暇だった僕はインスタで押してくれたら一言書くというストーリーを投下してみたら、僕が思ってた以上にたくさんの人が押してくれていた。その中に高校3年間話さないと思っていた、他クラスの美人な女の子が押していてビックリした。当時僕は1回も話したことがなく、なんなら自分の事なんて名前すら知らないだろうと思っていた。彼女は、僕の中で人に冷たく全てがどうでもいいと思っているように見えた。いざ話してみると思っていた印象とは全く違い、そのギャップにどんどん惹かれ、付き合うまでにそう長くはなかった。付き合ってみると更に可愛くて、これが自分だけに向けられている好意だと思うと自然と心が満たされた。その反面付き合っていく時間が長くなるにつれて、いつの間にか彼女が何処かに消えてしまいそうな不安な気持ちになった。それ故にどんどん好きになり依存していった。彼女の笑った顔が好きだった。料理を作っている姿も。好きだよと言うと照れたように私もだよと言ってくれるところも。今思い出すとキリがないくらいに僕は好きだったのだと思う。彼女の口癖で「君が私の事を好きって思ってくれてる何倍も私は君の事が好きだよ」と良く言っていた。普段、愛情表現をする事が苦手な彼女が、言ってくれるこの言葉が何よりも嬉しくて信じていた。不器用な所が可愛らしくて大好きだった。貴方は1人で考え込んで、誰にも相談せずに自分の頭の中で解決させてしまう悪いところがある。そんな小さな頭で分かるわけない。毎回復縁する時はそっちからのくせに毎回振る時もそっち、ほんと自分勝手。でもズルいよなんでそんなに可愛くて愛おしいの、嫌いになれないじゃん。振った側が泣くなよ、泣きたいのはこっちだよ。ずっと我慢してたのに。ぽろぽろと大粒の涙が止まる事を知らないように流れていく。この電話を切ったら彼女との今までの日々を否定されているみたいで嫌だ。「ありがとう」「ばいばい」僕は泣いてるのがバレないように必死で言ったが鼻が詰まっていてうまく言えなかった。電話が切れた後メッセージが届いた。「今まで振り回してきてごめんね。こんな私の事をここまで愛してくれてありがとう」涙が溢れ出てくる。「この先、貴方ほど愛おしくて可愛いと思える人はいないと思うよ」「君は大丈夫だよ」「何が大丈夫なんだよ勝手に決めつけんなよ」と返そうとしたら続けて、ありがとう大好きだったよと来た。僕はメッセージを取り消し、最後はお互いに「おやすみ」と送りおわった。今思うと、適当に話してたのも「好きだよ」と言ったら「ありがとう」と言うようになったのも全てこういうことだったんだね。僕は気付いていたけど、貴方とずっと一緒にいたくて仕事がきついせいだとか分からないフリをしていた。好きな歌のワンフレーズで「君がいない日々は牢屋のがましかもな」という歌詞があるが、心の底からその歌に共感出来た。改めて見返すと、途中から緑のメッセージだけが「好き」だと言っている事に気が付いて泣いた。僕は今でも彼女の事が大好きだ。
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