幼なじみじゃ、いられない。
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「ひな、さっきから顔色良くないけど大丈夫?」
2年2組の教室の前で、心配そうに顔を覗き込んでくれたのは千明ちゃん。
「うん、大丈夫。ちょっと緊張してるだけ」
「そっか。休憩時間とか話しに来るからね」
「授業中もDM送るから!」
「バカ、佳穂は良いけどひなが怒られたらどうすんの」
ペシっと軽く頭を叩いた千明ちゃんに、佳穂ちゃんは「ひどい!」と頬を膨らます。
そんな二人の様子に苦笑しながら、あたしは「ありがとう」と、手を振った。
……どんなにショックを受けたところで、クラス替えの結果を変えることなんて出来ない。
あたしは5組へと向かう二人の背中を見送ってから、2組の教室の引き戸に手をかけた。
ガラガラと音を立てて引き戸を開けると、知らない新しい空気。
ちらりとこっちを見た視線も感じたけれど、すぐにフイッと目は逸された。
2年生ってこともあって、既に出来上がっているグループもある。
あたしは楽しそうにお喋りする女子達を横目に、自分の席へと向かった。