地獄で待ってて




屋上から見る青空は近くて遠い気がする。





私は空に向かってそっと手を伸ばす。



「ねぇ」



私が空に見惚れていると隣から友人の声がした。



「なに?」



青空から彼女に視線を移す。




彼女は青空をバックになんとも晴れやかな笑顔を私に向け




「地獄に行ってみない?」



と言った。




…… 彼女は何を言っているんだろう。




私は頭にはてなを沢山浮かべたまま首を傾げる。



意味が分からない、よく分からない、全くん分からない




―― けど、




「うん、行く」



彼女が行くなら私も行こう。


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