八千代くんのものになるまで、15秒


私のことをドキドキさせて、頬を赤くさせて、いったいどうしたいの。


そう聞くと、八千代くんは一瞬目を見開いて、
"仕方ないなぁ"とでも言うかのように小さく笑った。



「なんで分かんないの……」
「わ、分からないよっ。言ってくれないと……」

「じゃあ言うから、ちゃんと聞いてて」



きゅ、と、私の左手を強く握って、八千代くんは言った。




「倉木の全部、俺のものにならないかなって、」

「へ……」


「倉木も俺のこと好きになってくれないかなって、思ってるよ」




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