八千代くんのものになるまで、15秒
あ、言っちゃったんだ……
そっか、じゃあ私が悪いね……
ごくり、唾を飲み込む。
「あの、私これからどうなっちゃうのかな……?」
ぎゅ、と両手を胸の前で握りしめると、
「そこじゃないでしょ」って梓希くんは言う。
どういうこと?なんて、キョトンとする私に、梓希くんはまるで私を甘やかすように綺麗に微笑んだ。
誕生日にプレゼントしたピアスが、梓希くんの耳元できらりと光る。
彼はゆっくりと私の手をとって、自分の首の方へと回した。
「息、苦しくなったら襟のとこ引っ張ってね」
「え、」
「止めてあげられなかったらごめんね」
「……あっ、まって梓希く──っ、」
言葉ごと呑み込まれてしまうような、
そんな、甘くて深いキスだった。