八千代くんのものになるまで、15秒





──今年の体育祭は、私達のクラスは1位でも最下位でもなく、真ん中の順位で幕を閉じた。

閉会式も終わり、更衣室で制服に着替えた後教室に戻ると、もうほとんどクラスメイトは帰ってしまったようで。


運動部の子達のカバンや荷物が机の上に置いてあるだけで、私以外誰も教室にはいなかった。


梢は他校の彼氏さんとのデートがあるらしく、瑛士はクラスの打ち上げ。

はぁ……私も早く帰ろう。




「──あ、よかった。まだ帰ってなくて」



バッグを手に持ったところで、聞き慣れた声がした。

扉の方を振り向くと、制服姿に着替えた八千代くんがそこにいた。




「八千代くん……帰ってなかったの?」
「応援団の集まりがあって。今終わったとこ」
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