゚・*:Plesance Sinfonia:*゚・
 言われるままにしてみれば、円がぼんやりと光を放つ。
それは段々と強さを増していく。

アリスは不安に駆られた。

すると天から一陣の光が差し、アリスを照らす。


「何か、来る・・・。」


眩しさに手を翳しながらも光の差す方を見る。
そこに人影のようなものが見えた。

それは馬に乗っている人間のように見える。


「騎士?」


甲冑を身に着けた、おそらく男だと思われる人間がその光の中に見えた。
雲間から来た騎士は深々と被った冑のせいで顔が見えない。

馬は大きな翼と八本の足を持っており、その足で力強く空中を蹴る。

その足元には二匹の狼を従え、さらに二羽のワタリガラスが追う様にしてついて来ている。


そして騎士の手には大きな槍が握られていた。


馬の蹄の音が大きく響く。
騎士は段々と英知の塔に、アリスに近付いてくる。

アリスの目の前まで来るかというところで、騎士は槍を構えた。


まさか・・・。


そして騎士はアリスの胸に槍を突き刺したのだった。



< 42 / 83 >

この作品をシェア

pagetop