例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「優奈は、俺のことどう思っている?」

「好きだよっ。好きだけど、好きなんだけど……っ、」

「じゃあ、俺と付き合って欲しい」



でも。

私は冬弥くんを幸せにできない。

それは言葉にすることはできなかった。


だって。

冬弥くんが私の唇をふさいだから……。

温かいものが唇に触れる。


それは何秒、何十秒の時が流れたんだろう。

もしかしたら一瞬だったのかもしれない。

だけど、私には長く感じた。


キス、している。

そう理解できたのは、冬弥くんがそっと離れてからだった。



「俺は、優奈といることが幸せなんだよ」



赤く染まっている冬弥くんの頬。

きっと私も同じ色に頬を染めているんだろう。


ぽんぽん。

冬弥くんの手が私の頭に触れる。

いつもと同じ撫で方。

この手が。

この温度が私は好き。


もう、余計なことを考えなくていいのなら。

自分の気持ちに素直になっていいのなら。

冬弥くんの言葉に甘えていいのなら。

私も伝えていいのかな。
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