例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「どうしたら、娘の病気は治りますか?」



あの日。

みんなで夢を語り合った日から15年。

俺はメンタルクリニックで医師として働いている。

患者は絶えない。

目の前の椅子に座っている親子の話を聞く。


娘が摂食障害で食事をとってくれないと涙する母親。

そんな母親の横で女の子がうつむいている。



「病気を改善していくには、周囲のサポートが必要です」

「私は全力でサポートしていますっ。娘の好きな食べ物毎日作って……」



だけど、食べてくれない。

日に日にやせ細っていく娘に心を痛めて、どうしていいのか分からないと泣く母親。

病気で苦しんでいるのは女の子自身だ。

だけど、苦しんでいる当事者を見て辛い思いをする周囲の人もまた、それぞれの苦しみがある。

ひとりひとりが当事者なんだ。


俺も昔……。
< 277 / 287 >

この作品をシェア

pagetop