例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「友達……。私なんかでいいんですか?」

「”私なんか”じゃないよ。”美波ちゃん”がいいんだよ」



その瞬間。

美波ちゃんがぽろぽろと大粒の涙を落とした。

頬を伝う、彼女の涙を指で拭う。



「私、ずっと友達が欲しかったけど、この見た目だからっ。話せる人もいなくて」

「……うん」

「綾瀬さんは外見で判断しない人なんだ、って思って」

「うん」

「今、こんなに幸せでいいのかって……」



止まることのない涙。

その涙は温かかった。

美波ちゃんの感情が流れ込んでくる。

とても心が温かくなる。



「私と、友達になってください」

「こちらこそ。よろしくね」



高校生になって、初めて女の子の友達ができた。

これから、いろんな美波ちゃんを知りたいと思った。


太陽が眩しい。

友達ができたことを太陽も喜んでいるみたいだった。



「これからは、優奈って呼んでね!」

「……優奈、ちゃん」

「うんっ」
< 28 / 287 >

この作品をシェア

pagetop