短編集




「いや、あのさ」




取り敢えずどんぶりに入っていた麺を全て啜り終えた私は男もとい彼に意見を述べる。



「んっ?おう」



その彼といえば呑気に2杯目のラーメンを啜っている最中であった。



「好意自体はありがたいんだけど…… 今、言う?」



「今言いたかったんだよ」



そう言った後に彼がどんぶりを持って汁を飲み切る。



「いや、だからってもっと場所を考えてくれても良いのではないかね?」



私は机に人差し指を置き、場所を示す。



私達が居る場所はラーメン屋。




しかも、チェーン店とかそういうのじゃないカウンター席とテーブル席が1つ、2つしかない昔からのラーメン屋である。



そんなラーメンを美味しく食べる為だけにあるような店で誰が告白まがいなことをされると思うのか。


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