アイドルと私。
えっと…えっと……今までの流れに頭を追いつかせるのが精一杯。

雅人くんが部屋に来て、隣に座らされて、キスされて、ベッドに運ばれて、だ…抱かれて…そこまでの流れは顔に火がでる程恥ずかしく、くすぐったくて、でも幸せで…ご飯食べて、ほっこりした時間が流れて…ここまではちゃんと分かる。

返された携帯を見ると

「え?GPSアプリ!?」

「そ。これなら連絡が返せない時でも何処にいるか分かるでしょ。」

ドヤ顔で言うもんだから頷く事しか出来ないけど、いくら彼女になったといえ、アイドルの自宅の鍵を渡され、GPSアプリをダウンロードされ、しかも雅人くんのアカウントと連携までされてて、

「もしかして、束縛系ですか?」

「んー?俺は紗莉しか見てないよ!」

ってニッコリ笑うから、

「どうもありがとう?」

ってお礼を何故か言う羽目になった。

多分、ってか絶対この恋は前途多難な気がする。これからどんな事が待ち受けているのだろう。仕事に向かう雅人くんを見送りながら、そんな事わ思うのであった。
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