町空くんは無自覚な闇


 一部の女子からは嫉妬や反感を買っているが、変に謙遜しないためか、基本的に男女ともから好かれている。

 まあ当然なんだけれど。


「どんな肌の手入れ方法で、そんな透明感ある肌が完成するの?その肌、ニキビって知ってる?」

 今日も友達から羨ましそうな眼差しを向けられる。
 この注目されてる感じが堪らない。

 芸能人顔負けの美しさだって言われている通り、スカウトだってされたこともある。
 けれどこれ以上、私の美しさを世に知らしめるなんて、罪な女になってしまう。

 まあ芸能界にそれといって興味はないし、今の自由に美しさを表現できて、注目される環境が気に入っているからそれで良しだ。


「うわっ、びっくりした」
「ひっ、ごめんなさい……」

「んな謝ることねぇけどさ、通るなら一言くらい言えよな」
「すみません!本当にすみません……!」

 教室のドア付近が騒がしくなり、私はそこに視線を向ける。

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