クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜

「小春?起きられるか?」
修哉に優しく起こされ、小春は重たい瞼を何とか持ち上げる。

焦点が定まらずボーっとする。

「小春?少し水分取っておこう。」
優しく身体を起こされて、口移しで水を飲む。

初めての行為で疲れたのか、
小春がぐったり寝てしまった。

小春がお風呂で寝てしまった時のトラウマが若干蘇り、
なかなか目を覚まさない事に心配になった修哉は、耐え切れなくなり起こしてしまった。

「ごめん。眠いか?」
頭が覚めきれない小春はボーっと修哉を見つめながら瞬きを繰り返す。

「修哉さん…今何時?」
頭に霧がかかったままの状態できく。

「夜中の12時くらいだけど、汗かいたから風呂入るか?」
座ったまま横抱きにされ顔色を伺われる。

「…はい。」
状況がよく分からないまま、抱き上げられて脱衣所に連れて行かれる。

そこで小春は少し覚醒して浴衣をかけられているだけの状態に気づき慌てる。

「やっ、自分で入れます。だ、大丈夫です。下ろして。」

「洗ってあげるよ。心配だから1人で入らないで。」

「えっでも、イヤっ無理です。
1人で大丈夫です。」

修哉の腕の中でバタバタして逃れようとする。
「危ないから。」
そっと小春を床に下ろすが、修哉は心配顔を終始崩さない。

小春はなんとか浴衣で身体を隠し必死で懇願する。

「分かった。ここで待ってるから入っておいで。」
修哉は仕方なく小春を解放して自由にしてあげる。

「む、向こう向いてて下さいね。」
脱衣所を出ていく気配の無い修哉に仕方なくお願いし、反対側をむかせる。

修哉はもう全部見てるんだが、と思いながらも静かに従い後ろを向く。

「ペットボトル1本飲んで」
水を渡す事は決して忘れない。

小春はバタバタと浴衣を脱いでペットボトルを持って浴室に入る。
「絶対、覗かないで下さいね。」
浴室の中から修哉に念を押す。

「分かってる。」

小春はお湯をかけ身体を洗いながら、先程の行為を思い出し1人赤面するのだった。

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