朝、キスして。
EP.14*わざとらしい

*優雨Side*


瞬と有咲を見ていると、たまに苦しくなる。

私が憧れるリセットされない関係を持っているから。


その“たまに”が、いつ消えたんだろう。


この瞬間って明確には言えない。

それでもあのとき、確かに違和感を覚えた。


ストーカーされているかもしれないとわかってから初めて有咲も一緒に迎えにきてくれた日。


『まあこれで、迎えにくるのもラストってことだな』


ストーカー問題が解決してよかったと思ったのも束の間、帰り道に瞬が何気なく発した言葉が私の心を揺さぶった。


ラスト……?

てことは、もう一緒に帰れない?


最低だった。

2人に心配をかけて、瞬には迷惑もかけた……なのに、寂しいって思ってしまったんだ。


だけど、自分の心の変化にすぐには向き合わなかった。

まあこれから1人で帰るって思うと寂しくもなるよね、としか考えなかった。


その日を境に、2人を見るたび心が締めつけられるようになった。

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