朝、キスして。

*EP.02おまけ*


宿泊施設へ向かうバスの中。

高速道路に入ってしばらく、バスの揺れが眠気を誘う頃。


ふと瞬の肩に重みが乗っかった。

見てみれば、有咲がすやすや寝息を立ててもたれかかっている。


「有咲?」


声をかけても反応がない。


(そういや有咲って行事前だと興奮して眠れないタイプだったっけ。そのせいで乗り物酔いするんだよなぁ)


無防備な有咲の寝顔を見て、瞬のいたずら心が働く。

つんつん。

頬を突つく。


「…んっ……」

(やべっ)


起こしたかな?と焦るが……セーフ。

代わりに返ってきたのは寝言。


「しゅん……」

(え?)


「……すき…」

(っ!)


「やき、たべたい……っ」


有咲が一体どんな夢を見ているのかはさておき。


(お……おどかすんじゃねぇよっ!)


いたずらの天罰を下される瞬であった。



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