その騎士は優しい嘘をつく
 いつの間にかハイネスも、すぴすぴと鼻を規則的に鳴らしていた。

「そうと決まったら、アン。ハイネスを預かるわ。あなたたちは買い物ね」
 アンネッテがそれに答えるよりも先に、姉にハイネスを奪われてしまう。さらに、早く買い物に行ってきなさい、と追い出されてしまう。

 カロちゃんもねんねする、と背中から声が聞こえてきて、子供たちはお昼寝の時間か、とハイナーは思った。
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