人生最大の恋心
人生のどん底
話は、5年前に遡る。
私は人生のどん底にいた。
メンタルが弱く、人見知りの私は、とあるクラスメイトの何気ない一言、
「邪魔」
その口調の強さに驚き、その人に対しひどく恐怖心を抱くようになっていた。
今思えば、なんて弱いんだろう、と笑い話にできるが、当時の私にそんな余裕はなかった。
私はひきこもるようになり、沢山の人に迷惑をかけた。親,友達,先生…
たった一言で、人生が変わってしまい、なぜひきこもったままなのか、と自問自答し苦しみ、一人泣く。そんな日々を一年間過ごした。明け方4時頃に散歩と称し、外に出る練習を始めていた私は、警察にばれ、補導寸前。自宅が近かったので厳重注意で終わったものの、両親には凄く叱られた。当然のことだ。それからは外には出なくなった。だけど、兄に一度学校に行ってみれば?と言われ、私ははっとした。兄も引きこもりの経験があったので、一度学校に行ってみようと思った。
だけど、やっぱりだめで、担任と共に学校に向かったが、学校が見えてきた頃、突然涙が出てきた。その日は帰り、数日後、クラスメイトと過ごす事は出来なかったが、校長室で校長先生と話した。それからは、校長室で校長先生や他の先生とコミュニケーションを取るようになった。
とある日、校長室に先客がいた。話を聞くと、その子は一つ下の後輩で、私と同じで学校に行けないでいた。人見知り同士だったので初めは沈黙していたが、先生が取り持ってくれて、仲良くなり、お互いの良き理解者となった。校長室で勉強を続けていた頃、友達が来た。「遊ぼ」と誘いに来てくれた。だけど、当時の私にはまだクラスメイトと会う勇気はなくて、でもせっかく誘ってくれたんだから!と思い、ついていく事にした。休んでいた理由は言わないで、という事を条件にして。
教室に行くと、ザワザワしていて、すごく入りづらかった。クラスメイトは、「なんで休んでたの?ずっと待っていたよ」と言ってくれたけど、その時、友達が男子に「邪魔」って言われたからなんでしょ?と言った。血の気が引いていった。絶対に言わないで、とあれだけ言っておいたのに。
私は教室から逃げ出してしまった。

泣きながら。なんで、どうして、秘密にしておいてほしかったのに。信用して、休んでいた理由をあなただけに教えていたのに。
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