最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
「どうして女性不信だったのに、私を選んでくれたんですか?」

「それは――」

彼はためらうように言葉を切って、紅茶をひと口、ごくりと喉に流し込んだ。

「チワワに見えたからだろう」

え。と私は硬直する。

「素直じゃありませんねぇ」

頼子さんだけがなにかを察したようで、ふふふと楽しげに笑っていた。



それから五日が経った。志遠さんは私と一緒に日本で生活してくれている。

時差の関係で夕方以降はほとんど書斎でリモート会議をしており、昼夜逆転した生活を送っているが、朝ごはんは一緒に食べられるし、日中彼が眠るベッドに忍び込んで一緒にお昼寝もできるので満足だ。

「頼子さん、すまない。契約より少し早いが、住み込みで陽芽の世話をしてもらえるか」

「もちろん。通勤がなくなって、楽なくらいです」

志遠さんは仕事、頼子さんは家事、私だけのんびり横になっていて、なんだか申し訳ない。

しかし、ふたりは口々に「それが君の務めだ」「お子様を生むために我慢なさってください」と安静を勧めてくる。

ふたりの言うことももっともなので、私はおとなしく従った。

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