狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜

 つい先ほど機嫌を損ねてしまった美桜の心を優しく解きほぐすようにして、唇を幾度も幾度も甘く優しく啄み続ける。

 しばらく続いた優しい甘やかなキスにより身も心もふわりと解れた頃、キスを中断した尊がゆっくり離れ今一度確認をとってきた。

「この一ヶ月、ずいぶんとお預けを食らったんだ。わかってると思うが、一度や二度じゃすまないからな。泣こうが喚こうが、やめてやるつもりはない。いいな?」

 その割には、少々乱暴な口吻だ。

 だがその言葉にも、尊の熱を帯びた強い眼差しにも、『美桜のことを一刻も早く欲しい』という雄としての欲がありありと見て取れる。

 好きな相手である尊に、そんな風にストレートに求められて嬉しくないはずがない。

 美桜は尊への気持ちが溢れてしまわないように、細心の注意を払い挑むようにキッパリと言い切った。

「望むところです。極道者の尊さんの妻になったんですから、それくらいの覚悟はとっくにできています」

 一瞬、尊が驚いたように瞠目する。
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