狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
本物の夫婦として

 妊娠発覚から一週間が経ったこの日。美桜は骨盤腔MRIの検査を受けるために光石総合病院に訪れていた。

 検査も終わり、用意してくれていた控え室で沈痛な面持ちで待っていた美桜だったが、幸いにも誤診だったことが判明し、診察室でその詳細を聞いているところである。

「実は、たまにあるのですが。おそらく腸の内容物が影となって見えていたんだと思われます」
「……そ、そうですか。なんかすみません」

「あー、いえいえ。女性の方は多いですからねぇ。こちらこそ、妊婦さんを不安にさせてしまい、申し訳ございませんでした」
「……ああ、いえ」

 緊張の糸が緩んで安堵するよりも、普段から便秘がちだったことが原因であるとわかり、恥ずかしいやら居心地が悪いやらで、穴でもあったら入りたい心境だ。

 今日も樹里が付き添ってくれていたのだが、数分前に誤診だとわかるや否や、のっぴきならない重要案件のことで大至急電話をしなければならないとかで席を外している。

 病気でないとわかったものの、このことを樹里にも話さなければいけないのか。そう思うとなんだかいたたまれない心持ちになってくる。

 それに、尊にも妊娠の報告をしなければいけない。

 妊娠が発覚したときには、嬉しくてどうしようもなかったが、最悪なことばかり考えてしまっていたせいか、なんだか気が抜けて、そこまで考えが及ばない。

 ーーでもよかったぁ。
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