魔法の手に包まれて
「焼き上がりましたら、郵送しますか?」

「いえ。近いので取りに来ます。それに、もう少しいろいろ作ってみたいなと思いました」

「でしたら、こちらでは陶芸教室もやっておりますので、一緒にいかがですか?」

 思わぬ勧誘を受けてしまった。怪しい勧誘ではないとは思いつつも、それを受け入れてどうかというのかがすぐには判断できない。

「陶芸教室って、どのような方が通われているのですか?」
 それでもそう聞いてしまったのは、興味があったから。けして彰良という男に興味を持ったわけではない。いや、本音をいうと、ちょっとだけ興味はある。だけど今、興味を持ったのはこの陶芸。無心になって一つの作品を作り上げるという行為は、心を穏やかにしてくれるものだと思った。

「いろんな方が来られますよ。年齢も二十代から、七十代まで。まさしく老若男女問わずという感じで」

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