短編集(練習)

空飛ぶパジャマ



クリスマスイブというのは、どうしてこんなに早く眠れないのだろう。




「詩織、早く寝なさい!!もう何時だと思ってるの?六年生なんだからしっかりしてよね。明日はクリスマスだけど、休日じゃないんだから。朝起きられなくなるわよ?」



人気のお笑い番組をこっそり、夜眠れないからリビングに長湯して怒られる十時頃。





「もう、分かってるって。お母さんってば、ケチなんだから。女の子は早く寝ないと、ニキビが出来るってしつこいんだから」





私は渋々、テレビを消してパジャマに急いで着替える。





お母さんの、「まぁ、分かってるなら、自分から行動しなさいよっ!!」という痛い説教を耳にしながら。





「そういえばクリスマス、詩織はプレゼント何を頼んだの?」




大きな靴下を玄関先の傘掛けに掛けていると、そんな事を聞いてきた。





「決まってるでしょ?リカちゃんの大きなドールハウス」





「馬鹿正直に答えるんじゃないわよ」





「いいじゃん!!好きな物を一年に一回頼んだって!!」





これだからお母さんは嫌になる。





この前だってお母さんは、「六年生だから、プリキュアを見るんじゃない」だの、「文道具はキャラクター付きは無し」だの「大人」になる事をすぐに要求してくる。





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