妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
その答えに、琴音は考え込んだ。

タカラヅカは、女だけの世界観だ。
だからこそ、現実にはない美しさがある。

特に男役は、女子を熱狂させる、吸引力を持つのは確かだ。

歌舞伎も、
男だけの世界観だし・・・

「そうですね。どちらかというと、コスプレが近いかもしれませんね・・

登場人物になりきる楽しさを、
味わうために、
お話を自分で、再現するのですから・・・」

琴音の言葉は、熱量が高くなる。

「だからこその、BLごっこなのです。

いや、楽しむのだから、
BLプレイと言っても、いいかもしれません」

琴音は自分で自分を、
納得させるように、うなずいた。

いい年をした30すぎた女が、
プレイと言うのもおこがましいが・・・

事実、琴音の友達は結婚して、
幼児の乗ったバギーを押して、
公園デビューしている。

琴音だけが、現実世界から取り残されている・・・・

いや、自分から背中を向けたのかもしれない。

景山海里は腕組みをして、
壁に寄りかかるようにして
立っていた。
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