しちゃいけない恋
「ねぇ、茉由!ハロウィンパーティーしない?」

そう言って目をキラキラさせているのは愛奈。

愛奈はお祭り事が好きみたい。

「暇だしいいよ。やろ」

そういうと、もっと元気になった。

私も笑顔になる。

「楽しみだね!」

愛奈のその時の笑顔の意味に気づかずに。



「な、なんで遙と光輝がいるの」

愛奈の家に着くと出迎えてくれたのは遙と光輝だった。

あの時の笑顔はそう言う意味だったのか。

そういう愛奈は他の準備をしているらしい。

「部屋に上がっとけだって」

そう言って遙は階段を登っていく。

その後を光輝と私がついていく。

部屋は飾り付けがされていた。

随分と華やかだ。

荷物の置き場所に悩んでた時。

携帯が鳴った。

愛奈からのLINEだ。

(ごめん、下に降りてきてくれない?運ぶの手伝って欲しいんだ〜)

どれだけあるんだろう。

(了解)っと。

「2人とも、私下に料理取りに行くね」

「「はーい」」

声が合うなんて仲良いなぁ。

そう思いながら下に降りると愛奈に引っ張られた。

お風呂場まで連れてきて愛奈はあるものを渡した。

仮装セットだ。

「な、なにこれ」

「みた通りだよ!さぁさぁ、着替えて?」

そう言ってドアを閉める。

これは着替えないと出さないってことか。

「はぁ」

ため息をついた。



「着替えたよ」

「OK!出てきて〜」

今度はドアを開けられた。

渡されたのはヴァンパイアの仮装だった。

中にはマントに牙、ワンピースが入っていた。

意外とワンピースの丈が短い。

そのまま、愛奈の部屋の前まで連れて行かれた。

「ちょ、ちょっと待って。入れないよ」

「大丈夫だって!可愛いよ!」

そう言って押された。

2人の視線がこっちにくる。

始めは固まっていたけど、愛奈が話してくれた。

「どう?似合ってるでしょ?」

「う、うん!すっごくかわいい!」

「遙君は?」

「……」

「遙?」

心配になって声をかけると顔を隠しながら。

「か、可愛いと思う」

今までは似合ってるとしか言われなかった。

初めて可愛いと言われ、私まで顔が赤くなってしまう。

「私たち邪魔者かなぁ?」

「さ、さぁ、パーティー始めよ!」

「そ、そうだな」

それからのパーティーはすっごく楽しかった。

遙に可愛いって言われたのも嬉しかった。

でもこれは、しちゃいけない恋。
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