フェードアウト
フェードアウト

1、無気力無力


 うるさいうるさいうるさいうるさい、
う、る、さ、い、、、
 夜中、母の私を叱る声が家中に響く。
そりゃぁ、私だって悪いなって少しだけ
ほんと1ミリくらい反省してるし。
怒ると人間性まで否定してくる母が嫌いだ。
いつのまにか1人が好きになった。
 何も刺激がなくただ生ぬるい自分だけの世界に閉じこもってることが何より楽だから、。
 家にいるのも嫌になった、かと言って他より秀でて何かできるわけでもない私は、母のキーキー声で無意味になくなった眠気のおかげで、この静かな、特別な匂いの夜中、大好きな夜中を持て余しているわけだ。    

2、何もないから

 次の日、私は学校に行かなかった。
あの、同じ机に向かって全く同じ制服を着て、同じ黒髪で、全く同じ時間机に張り付いて勉強する。あの空間が気持ち悪い。不快だ。
 でも私には好きな人がいる。
だからそのために学校に行ってると言ってもいいくらいだが、今日は昨日のアレのおかげで好きな人を眺める気にもならない。
 ちょっと外の空気を吸いたくなって外に出た。コンビニに行こうとして、友達に会った。大月みう。前少し喧嘩した、訳ありだけど、逆に気を使わなくて楽な友達。

「うお!あかねじゃん、今日どーしたの?」
みうが言った。
やばっ!絶対学校行ってないのバレた。最悪、、、。どーしよ?あかねは頭をフル回転させた。でも、結局沈黙が続く、、
気まずい雰囲気になり、しかめっつらの私をみて何か察したのか、
「まーいーや、ちょっと話聞いてくんない?もー今日さー、数学のキリヤンがさー、、と話し出した。」

そのまま1時間以上話し込んでしまった。
何でもない、言っちゃえばどーでもいい話が私の心を明るくした。
気がついたら口角が上がってる自分をみて思わずクスッと笑ってしまった。
 
 結局私の悩みなんて、ミジンコほどのものなのだ。(ミジンコにも失礼)
まだみうと話してから2時間くらいしか経ってないけど、話のほとんどの内容を忘れている、、また思わず笑ってしまった。自分の小ささに。でも私は、確かに悩んでいたわけで、それは変わらない。母に人間性まで、あーだこーだ、言われたことを悪いと思う気持ちは変わらないし、変えるもんかとも思う。


ただ、誰かのせいにして、私だけ腐っていくのは面白くないでしょ?
腐ったら治らない、そーかもしれないけど、その腐った心は自分が捨てようと思ったら10回でも100回でも捨てられる。
人間は便利なものでそう言う生物。
ありがとう、こんな明るい未来をくれて、そー思わなきゃ。 
 明るい光をさしてくれるところへ、自然と人は集まる。
人のためにどうにかしろと、綺麗事を言われても、私はそーゆーのも嫌いだから、
私の好きなように私は私を照らしていく。

そー思った今日この頃、、恥ずかしいこと考えたな、と思いながらも、ベットに入りまた、同じ日々を繰り返しにいく。


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