暗黒ギフト2
☆☆☆

目が覚めると全身汗でぐっしょりと濡れていた。


呼吸が荒く、心臓がバクバクと早鐘を打っている。


最悪な夢だった。


必死で手を伸ばしても梓に触れることすらできなかった。


海斗は自分の手のひらを見下ろしてきつく奥歯を噛み締めた。


あの夢の中のように、自分にできることなんてなにもないのかもしれない。


梓が弱っていく姿をただ見ていることしかできないのかもしれない。


そう思うと悔しくて、海斗の目に涙が滲んだのだった。
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