こいろり!



「てめぇっ!!この状況分かってんかよ!?」

「ふざけんなよぉ、後ろ押さえてろ!!」


逆上した男の1人な、脇から肩にかけて腕をまわしてきて身動きが出来なくなる。
次の瞬間、前にいた帽子の男が拳を振り下げてきて、顔面に強い衝撃が走った。



「………っ、そ、ういうのが弱いっつってんだろ!?」


なんて台詞と共に、血の混じった唾を吐き捨てた。



「ああぁ!?意気がってんじゃねーぞ!このクソガキがぁ!!」

「マジ、ぶっ殺すぞ!?」


何度も顔や腹をぶん殴られて、後ろの奴ごと吹っ飛ばされて壁に激突する。
そのまま、顎に1発入れられ横倒しになった。

俺を取り囲む男達は、容赦なく足蹴りにしてくるから、反射的に身を守るよう体を丸める。

くっそ、()ってぇ……ぐぅ。絶対どっか折れた。気が遠くなりそうだし。集団リンチなんて、聞いてねーし。7対1とか、マジふざけんなよ!!




「…………た、泰良ぁ…、」


震える小さな声が、耳に入ってきた。
片目だけ半分、瞼を開けて華花の方をチラリと目を向ける。

納得はいかなねーけど、それでも、華花が無事ならいっか。



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