こいろり!




「あ!あの絵もね、華ちゃんが描いたんだよ!」

「そりゃ、見りゃ分かるけど」

「華ちゃん、泰良くん退院したらお祝いしたいって張り切っててさー」

「別に、そんなんいーのに」

「あはは、表向きは退院&クリスマスパーティーになってるけど、華ちゃんのお別れパーティーでもあるからね」

「あー……、そっか」






「あとー、泰良と華ちゃんの両思い祝いでもあるんだよなー?」

「うるせーよ!違うっつってんだろ!!」


ニヤーと口を緩める兄貴が話に割り込んでくるから、カッとなって叫んじまったけど。

周以外の奴等からは微笑まい視線を注がれるから、過剰し反応しちまう俺が子供(ガキ)みてーじゃねぇか。




「上手く、回せないわ……」

「お嬢様、気を付けて下さいね」


華花の方にチラリと目を向けると、こっちの話なんか全然聞いてないねーし。



「あぁ?ちゃんと火が通ってからじゃねーと、外れねーだろ?ほら、かしてみ?」

「ほらほら、そこイチャつくなって。周さん隣からガン飛ばしてっから」

「あぁん??イチャついてねーよ!」


放っておけなくて華花の隣に腰を下ろすと、また兄貴が絡んできやがった。ったく、これだから酔っぱらいはタチ()りーな。



「なんか丸くないけど、回せたわ!!」


華花が(いびつ)な形のたこ焼きに目を輝かせるから。やっぱガキっぽいけど可愛いな、なんて自分の顔が緩んでいくのが分かった。




< 164 / 178 >

この作品をシェア

pagetop