こいろり!
10.華花の選択






華花のばあさんが死んだ───。



連絡が来たのは華花と施設に行った2日後で、朝 母ちゃんから聞かされた。



「田渕さんちのおばあちゃん、亡くなったんですって」

「…………あ、そう」

「周さんから連絡があってね、もともと心臓があまりよくなかったみたいよー。寒いとこういう事、多いわよねぇ。うちのおばあちゃんの時もそうだったし。あ、施設に入ってたって、あんたも言ってくれればいーのに」

「…………」

「職員さんが朝 お部屋に行った時、すでに意識が無かったみたいなのよ。そこから救急車呼んだって。でも、随分と穏やかな顔してたって周さんが言ってたんだけどー」

「…………ふーん」

「明日、お通夜あるからあんた行ってきたら?璃香子ちゃんと。髪は黒くしてってね、おばあちゃんの時みたいに、シューって。私は告別式の方に出るから。場所は───、」


スマホの画面に視線を落とす。
華花からのメッセージは2日前で止まっていた。そうか。やけに静かなのは、それどころじゃないからか。



俺は2回しか会ってねーけど。ばあさんもあんな元気そうだったのに、本当に人の死ってのは急だし呆気ねーよな。



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