儚く甘い
「ばか。家族なんだから、当然だろ?すぐ戻るから、それまでなるべく水分摂って、安静にしてろよ?」
「・・・はい」
みわは目を開けていることもしんどそうに、隆文を見つめる。
その瞳は熱のせいか潤んでいた。

隆文が部屋から出てすぐ、みわは眠ってしまった。

母はみわのそばにつきっきりで、汗を拭いたり、体を冷やしたりしている。
少しでも目を覚ますと、水分をとるようにすすめた。

裕介はリビングで待機しながら時々部屋にみわの様子を見に行く。
みわが水分をとれていることに安心をしながら、裕介はリビングに戻るとすぐにパソコンを開いて、みわの体の状態を記録していく。

まだまだ薬には改善の余地がある。
でも、間に合わない。
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