儚く甘い
どんどんとみわへの想いが膨らむほどに、願いは強く膨らむ。

「みわ」
「ん?」
すっかり名前で呼ぶようになった達哉。
みわは、達哉がかけてくれたシャツを頭からかぶったまま達哉の方を見る。

「なんでもない」
「なによー」
笑いながらもみわも同じだ。
今の気持ちを言葉にできない。

国語力がないからだけじゃない。

今の願いも感情も言葉にしたら、時間が足りない。

でも言葉にしなくても何となくお互いの気持ちはわかっていた。
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