儚く甘い
「明日、病院に来てほしい。」
妹の想いを叶えようと誓ってこの場所に来た隆文。

でも、兄として・・・どうしても妹に残された人生のかすかな希望と幸せな未来へかける想いを捨てきれなかった。

『お兄ちゃん、お願いがあるの。』
渡米する飛行機の中、みわが眠っている裕介と母に気遣い小さな声で話していた願い。

『もしも私が死んでしまったら、達哉に私が死んだことを伝えて、この手紙を1年後の彼に届くようにしてほしい。』
妹が生きることをあきらめてしまうような気がして、はじめは聞く耳を持たなかった隆文。でも、必死に願う妹に最後は頷くしかなかった。

『もしも私が達哉を忘れてしまったら、私は死んだって言って。同じように1年後、彼にこの手紙を届けてほしい。』
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