儚く甘い
不器用な優しさ
「達哉!おはよう!」
あの日から、みわは毎日のように大学で達哉を見かけると声をかけて追いかけて来た。

みわの周りにいつもいる友達は不思議そうに、急接近した二人を見ている。

「お前、あんまり俺に声かけんな。」
「どうして?」
大学の講堂へ向かう通路で達哉を見かけたみわは、友達に手を振って達哉に近づいてきた。
「嫌いなんだよ。一人がいいんだよ、俺は。」
達哉からの拒否されるような言葉に、みわが足をとめる。

それまでの無邪気な顔を一変させてシュンとしてうつむくみわ。
急についてこなくなったみわに、達哉は思わず足をとめてため息をつく。
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