儚く甘い
~♪

携帯電話の着信音にみわは慌ててポケットから携帯電話を取り出す。

着信画面には母の文字。

いつものように嘘をつけばいい。

平気だって。大丈夫だって笑えばいい。

震える手で涙を乱暴に拭って、電話に出ようとする。

でも、涙が止まるどころか新しい涙が溢れて止まらない。

そのうち着信が留守電に切り替わりまた携帯電話が鳴り始める。

今度は隆文からの着信。

また留守電に切り替わると裕介からの着信。
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