玉響なる風は、水とともに
風音の母親の近くにいた人物を見て、風音は驚いた。

それもそのはずである。そこにいたのは、イヅナだったからだ。

「イヅナ!?どうして……」

「今日は、休みなの。だから、穴が塞がる前に風音の町に遊びに来ようと思って……」

「そうなんだ!じゃあ、僕の町を案内するよ」

イヅナの手を掴み、風音は歩き出す。

「夕ご飯までには、帰ってくるのよー」

「分かった!」

(…………ずっと、こうやってイヅナたちと一緒にいれたらいいのにな……)

そう思いながら、風音はイヅナを連れて外へと飛び出した。
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