ねこのひるねの、ひとりごと

結婚なんて~30歳目前!

小説とかテレビ番組とかで「恋愛」に憧れることはあった。

でも。
「恋愛」はしてみたい。でも「結婚」は出来ない。

そうなのだ。

借金だらけであろう父の娘であるわたしに、普通の結婚話がくるわけが、ない。

最期まで母の事を「この人」と呼び、わたしも大嫌いだった伯父が。
皮肉にも言った一言。

「あんな父親がおったら、結婚なんか出来へんわなぁ。」

放っといてくれ、である。

常々わたしには、
(あんたはこの家の血が流れとる。けど、「この人」には流れてない他人や。)

言ってること、おかしいわい。
伯父と伯母だって他人じゃないか!

何かにつけて母を阻害し続けてきたこの伯父夫婦が大嫌いだった。

わたしが就職後、父にブチ切れで両親が別れてから、
もう会うことなど無いと思っていたけど。

あった。
あんぽんたんの父の「ガン」。

わたしの29歳の誕生日の次の日。
父は逝った。

そのまえ3日間ほど、容体急変して意識不明になった。

その日の昼の面会時間。
母が父の病室の近くまで行くと、父と伯父が大喧嘩していたという。

もうほぼターミナルに近い弟相手に大喧嘩する伯父。
父には悪いが父が逝ったら、喪主は伯父にして貰うことにしていた。
父の逝去後は、母の姓で生きていくと決めていたから。

”「血」は汚い”

ところが、この大喧嘩後。
ころころ。事態は思わぬ方向にころがったのだ。

はい。まず父は、そこから危篤に突入して。

従姉から連絡。
伯父も、脳梗塞で倒れたらしい。
「なぬ?」
喧嘩両成敗?

そっか。
あんぽんたん父は伯父に喪主をして欲しくなかったんだね。
はい。
わかったよ。
父の姓での最後の仕事。

葬儀社の人々にも手伝ってもらって、わたしが「喪主」をやる。

あなたの最期の望み。これでいいかな?
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