『 最後から、始まる。 』~卒業~ きみと過ごす残り1ヶ月

「浅倉さん、ちょっと…」



音楽室に行ったら

先生に呼ばれた



「お願いがあるの」



先生が真剣な顔をしてたから

ちょっと緊張した



「はい、なんですか?」



「私の代わりに、伴奏お願いできる?」



「伴奏…ですか?」



意味がわからなかった



「最近、少し体調悪くて…」



今月に入って

先生は何度か休んでる



先生には

無理してほしくないけど



「私が、伴奏ですか?」



自信がなかった



「来年度は新しい先生が顧問になると思うの
それまででいいから…」



新しい先生?



「先生、辞めるんですか?」



「んー…
…
浅倉さんにだけ話すね
…
私、妊娠してるの
あ…結婚もしたの
…
みんなには内緒ね」



結婚はみんなが噂してるし

杉山が言ってた



体調悪いのは

妊娠のせいだったんだ



「旦那さんて…清水先生なんですか?」



「うん…
噂になってた?
…
なかなか同じ職場だと
みんなに言いにくくて…
…
4月から育休に入る予定
それまで迷惑掛けちゃうけど…」



「迷惑って…そんな…
…
でも、ちゃんとみんなには伝えた方が…」



まず

杉山のことが1番に

頭に浮かんだ



先生が妊娠してること

先生が育休に入ること

杉山は知ってるの?



先生が急にいなくなったら

杉山

どーするかな?


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