天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
私はスマホを握りしめて、何度も大我先生に電話しようと思ったか分からない。

でも、驚かせたかった。

そんな時、向こうから車がこちらに向かってきた。

私は慌ててマンションの横の植え込みの影に身を潜めた。

誰だろう、大我先生の車じゃない。

ところが助手席のドアが開いて降りてきたのは大我先生だった。
大我先生を目視した私は、駆け寄ろうとした瞬間、運転席のドアが開いた。

そこから降りてきたのはすらっと背が高い綺麗な女性だった。

その女性は大我先生の側に近寄った。

誰だろう、もしかしてお見合いの相手?今日の休みはデートだったの?

私は咄嗟に大我先生に声をかけた。

「大我先生」

大我先生はびっくりした様子で私を見つめた。

「真由香さん、どうしたの?」

「ちょっと相談があって……」

相手の女性は気を利かせたかのように「それでは私は失礼しますね、今日はごちそうさまでした、また誘ってくださいね」と言って車に乗り込み、発進させた。

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