天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
真由香は目にいっぱいの涙を溢れさせて訴えていた。

「真由香、手術が終わって退院してきたら、いくらだって時間はあるよ」

「退院出来なかったら?」

「真由香、そんな事はないよ」

何を言い出すのかと驚きを露わにしてしまった。

「それに大我は側に私が寝ていても何も感じなかったんだ、そんなに私は子供?女性としての魅力ないの?」

「真由香」

俺がどれほど真由香を抱きしめたくて我慢していたか、何も感じないわけないじゃないかと心の中で叫んでいた。

「大我のバカ、出て行って」

真由香は布団をかぶり泣いていた。

「わかった、勝手にしろ」

俺の気持ちも分からずわがままを言っている真由香を突き放した。

子供なのは俺だな、真由香に対して怒ってどうするんだ。

でも、真由香の機嫌が良くなるように抱きしめてやる余裕が俺にはなかった。

俺が寝室のドアを閉めてキッチンに向かおうとした時、真由香はベッドから起き上がり俺の背中に抱きついてきた。

「大我、ごめんなさい、怒らないで、お願い」

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