好きだけど、好きなのに、好きだから
学校を出た俺は、途中で課題のノートを部室に忘れたことに気付いた。

やべぇ、提出明日までだったよな……

面倒くせぇと思いつつ、学校までを戻っている。

戻ると、部室のドアが開いた。

入り口から覗くと、先輩が机に突っ伏している。

「優里亜先輩?」

返事はない。

先輩は、ペンを握ったまま眠っていた。

ペンを握ったままってのが、先輩っぽい。

机には、書きかけの日誌が開かれていた。

練習メニューの他に、一人一人の練習の様子や怪我の具合、健康状態が事細かに書かれてある。

すげぇな……

先輩は、真っ直ぐで一生懸命だ。
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