好きだけど、好きなのに、好きだから
次の日の部活前。

優里亜先輩は、コートの端で誠さんのテーピングをしている。

「優里亜、目閉じて」

「うん」

誠さんが、先輩の頬に触れる。

「まつ毛抜けてる」

「あっ、ありがと」

ギャラリーにいる女子達から悲鳴がした。

でも、優里亜先輩は照れるわけでもなく至って冷静だった。

「今日は、優里亜は俺と帰んだよな」

先輩と誠さんが、帰る約束をしている。

「あっ、うん」

優里亜先輩が頷く。

昨日、女子と帰っていた誠さんを思い出してしまった。

先輩は、誠さんのテーピングを終えて体育館を出ていった。
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