好きだけど、好きなのに、好きだから
「麻衣先輩」

「何?」

「優里亜先輩って、誠さんの彼女?」

「えっ!佐伯まさか……」

知らねぇの?とか言われんのか。

「まさか?」

「優里亜先輩のこと、好きになっちゃったとか」

はっ?

「そんなんじゃねぇっす」

「ただ……優里亜先輩には、誠さんよりいい人いると思う」

「あっ、あはは」

麻衣先輩が、豪快に笑った。

「優里亜先輩と誠さん、健さん。三人は幼馴染みなの」

「幼馴染み」

「私も大も入部したての頃は、優里亜先輩と誠さんは付き合ってると思ったんだけどね」

付き合ってねぇのか。

じゃあ、誠さんのあの態度は一体……

「優里亜先輩、あんたが素っ気なかったって気にしてたわよ。今日はちゃんと挨拶して帰んなさいよね!」

麻衣先輩は俺の背中をポコッとどついて、準備に戻っていった。

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