好きだけど、好きなのに、好きだから

佐伯君

放課後。

体育館には、すでに新入生が集まっていた。

私は、気が付けば彼を探していた。

あっ、いた!

顔ははっきり覚えていなかったけど、一人だけ一年生離れした体格で彼だと確信する。

彼は二人の予想通り、白石中の佐伯君だった。

なぜ健と誠が、声を揃えて佐伯君の名前を挙げたのか。

それは、彼が藤森北期待のスーパールーキーだからだ。
< 6 / 97 >

この作品をシェア

pagetop