アンドロイド・ニューワールドⅡ
今日の放課後は、体育館で仮バドミントン部を行います。

実は、未だに続いているのですよ。

どのようなことでも、続けることに意味があります。

近頃は奏さんも、かなり上手になりまして。

そろそろ、私が放つアンドロイドスマッシュを、打ち返せるようになるのではないかと思います。

この世で奏さんだけですよ。アンドロイドスマッシュを打ち返せる人間は。

何事でも、一番になるのは素晴らしいことですね。

「では奏さん、体育館に行きましょうか」

「うん、そうだね」

と、奏さんは言いました。

私は奏さんの後ろに回り、彼の車椅子を押して、教室から出よう…と。

した、そのときでした。

「えっ、マジ?」

「うわっ、本物だ」

「何でこんなところに?」

と、クラスメイトが一同にざわつき始めました。

…何事でしょう?

教室の出入り口に、クラスメイトが集まっています。

…出られないのですが。何をやっているのでしょう?

「…?どうしたんだろう?」

と、奏さんは首を傾げました。

「さて。何事でしょうね。出られないから、横に避けて欲しいのですが…」

と、私は言いました。

すると。

「君、転入生の子だよね?どうしたの?こんなところに…」

と、クラスメイトの一人が尋ねる声が聞こえました、

ん?転入生…?

転入生って、それはもしや…。

「はい。実は、このクラスにいる、久露花瑠璃華さんと…もう一人、緋村奏さんに用があります」

と、琥珀さんは言いました。

やはり、琥珀さんの声です。

中等部にいるはずの琥珀さんが、何故ここに…?

「え?久露花と緋村に…?」

「お邪魔しても宜しいでしょうか?」

と、琥珀さんは、私のクラスメイトに尋ねました。

「え、い、良いけど…」

「ありがとうございます。では、失礼します」

と、琥珀さんは答えました。

そして、するりと我が1年Aクラスの教室に入り。

何食わぬ顔で、教室内を見渡しました。

…何故、琥珀さんがここに…。

しかも今、私と奏さんの名前を呼びましたよね?

私はともかく、何故奏さんのことを知っているのでしょう。

「あれが、例の転入生なんだ…。瑠璃華さんの従姉妹だっていう…」

と、奏さんは呟きました。

「そうですね。しかし、彼女が一体何の用で…」

と、私は言いかけました。

その前に、琥珀さんは私と奏さんを見つけ、こちらに向かってツカツカと歩いてきました。

こんにちは。
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